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2019.7.29
藤尾きらら(AVAI KINDERMANN:ブラジル一部リーグ)
サッカーの本場、ブラジルで成長の日々。
「本場の環境でどれだけやれるか。」
それを試したくてブラジルに来た。
そして環境に捉われず、自分らしく笑顔でプレーできる感覚を肌で感じたかった。
       
ーブラジルでプレーして感じる、日本のサッカーとの違いー
ブラジルでは、試合前やハーフタイム、ミーティングで必ずといっていいほど監督やチームの中心選手が使う言葉がある。Paciência(忍耐)だ。
あれだけ勝負に熱いブラジル人が、忍耐力が必要だと口々に言うのだ。
日本で使われる忍耐の意味とは少し違う気がする。
苦しい時にキツイけど踏ん張るということではなく、ポジティブな気持ちで戦うために自分の考えや気持ちを最後まで変えないための忍耐を持つことが求められているのだ。
ブラジル人の勝負に対する気持ちの熱さが表れていると感じる。
もう一つ強く感じることがある。ブラジル人はボールの隠し方がうまく、自分の良さや武器を良く理解しているからプレーに迷いやブレが少ない。
それぞれが互いの個性を知ってるからプレーの息が合うし、面白い遊びのアドリブプレーが生まれるのだとわかった。
日本の選手ももっと自分の良さを理解し、その良さを最大限に発揮する力が必要だと、ここにきて感じている。そうすることでもっと自信を持ってプレイできると思う。
それでも日本人の強みである勤勉さと相手の話しを聞く能力は、このブラジルの地でも評価され、監督からの信頼を得ることができた。小回りが効くのも日本人の強みだ。
ー課題となるのはフィジカル面ー
今回の女子ワールドカップでも、フィジカル面が課題の一つとしてあげられた。
ここにきてはじめて、「フィジカル」の意味を知った。ただ走り込みをすればいいわけではない。
どこのチームにも必ずフィジカルコーチがいて、筋トレやアジリティートレーニングを週に2回ほど指導してくれる。
そのメニューは全て管理されていて、やり方、回数、重さ、意識するところなど、どれをとっても効率がよく驚かされた。
チームとしてメニューを組んだ上で、個人的に弱い部分のトレーニングを付け足される。
初めはその違いに戸惑ったが、徐々にピッチ上でのプレースピードが上がり、対人でも負けなくなったと感じている。
ーチームスタッフの声掛けー
フィジカルトレーニングが課題である私に、毎回フィジカルコーチが声かけてくれる。
トレーニングを始める前には、「今からやる全てのメニューは全て自分自身の為。人の為じゃない。自分自身がより良くなる為、成長するため。キラのmaxは、チームメイトより低いかもしれない。けどそれはキラのmax。チームメイトのmaxじゃない。だから自分のmaxでやり切れ。」と、鼓舞してくれる。
モチベーションも上がるし、何よりチームメイト全員が全力でやるので自分も負けてられない。
コーチのこの声かけは、自分の人生においても同じ事なので、絶対忘れないようにしたいと思っている。
ートレーニング内容の違いー
週2回筋トレかアジリティがあるため、月曜と水曜は2部練になることが多い。
TRはきっちり2時間で、そのあと個人でボール蹴ったりフリーの時間か少しある。
日本で当たり前に行うパス&コントロールやドリブルの練習は1度もしたことがない。
止める蹴るの技術は大事だが、それ以上に試合の中で起こり得そうな実践的なトレーニングを重要視している。
練習だからといって球際を緩くすることはないし、練習の中でも激しく口論になったり、ぶつかり合いが起こることもかなり多く、喧嘩になることもある。
それくらいピッチの中では熱いし、大事にしていることが日本とは少し違うと感じている。
このブラジルの地で沢山の新しいことを吸収しながら、自分とをもっと知り、人間としても選手としても成長していきたい。