8月19日、東京都港区の日本財団ビルにて第一回選手間Workshopを開催しました。
当団体理事の近賀ゆかりが、日本財団が主催するHERO’sのアンバサダーとして今年から活動を始めたことから、日本財団にて今回のWorkshopを実施する運びとなりました。
「サッカーしかしてこなかった」を「サッカーをしてきたから」に変えたい
一部・二部そして引退選手を含め、16名が緊張の面持ちで会議室に集まりました。
今回がWorkshopを経験するのがはじめての選手がほとんどの中、アイスブレイクで少しづつ緊張をほぐしながら本題に入りました。
なでケアの理念を今一度選手間で共有し、まずは一人一人が’’プロ選手’’として「自立」することで女子サッカー選手である自分を見つめ直し、「何で」・「誰のために」・「何を伝えたくて」サッカーをしているのかという「目的意識」を持ちながらサッカーと向き合うことの重要性を再確認しました。
この活動を通じて出会う人や仲間、ピッチの上では得ることのできない経験や知識が自分のプラスアルファとなり、自分のキャリアをより充実したものにすること、また引退後自分からサッカーを引いてもたくさんの財産が残り、「サッカーしかしてこなかった」という言葉を、「サッカーをしてきたから」に変えていけるのではないかという話が出ました。
白熱したグループディスカッションに。
後半戦は、「スポーツ界におけるセクハラによって辛い思いをする女の子をなくすために、いま私たち選手にできる事」というテーマでディスカッションとアイディア出しを行いました。
残念なことにセクハラやパワハラはスポーツ界に偏在していて、特に昨年はパワハラに関する不祥事が各競技団体で発覚したことで大きな話題になりました。それでもどこか自分ごとしていなかった「セクハラ問題」が、最近悲しくも私たちのすごく身近なところで起こってしまいました。
なでケアとして、というよりは一人の選手として何かしたいというイベント参加選手の強い思いを受けて、今回このWorkshopを開催するに至りました。まずはこういう被害にあう女の子を一人でも減らすこと、そしてサッカーの普及や指導者を守るという意味でも選手として無視できない問題であることを確認し、ディスカッションに移りました。
ディスカッションは
session1 「スポーツ現場においてなぜセクハラが起きるのか」
session2 「各ステークホルダー(親やコーチなどの関係者)にできること」
session3 「予防策として私たち選手にできること」
の3セッションに分けて進行され、各グループが模造紙にアイディアを書き込んでいきました。
終了後各グループからは
●なでケアが相談窓口になる
●一人一人が情報発信をし、セクハラを許さない空気感を作り出す
●ガイドラインの作成
●リーグやクラブを巻き込み、撲滅を訴える
といった意見が出ました。
今後はなでケアとしてここで出たアイディアをどうアクションに移して行くかということについて検討していきます。
はじめての選手が多い中ディスカッションは白熱し、終了後には「未来のアスリートのために今できることや、私たちだからこそ発信できるメッセージを今後なでケアを通じて、広く伝えていきたい」や、「サッカーと同じように一人ではできないことも、周りを巻き込むことで作れるものや伝えられるメッセージがあると思うので、お互いに協力しながらより良い活動にしていきたい」といった声が選手から上がりました。
線引きが難しく適切な処置が未だなされていないセクハラ問題ですが、選手が声をあげ、重大さを発信することで働きかけていくことが、セクハラ撲滅の第一歩になると思います。未来の子供達が安心して大好きなスポーツに打ち込める環境を整えることに少しでも貢献すことで、日本において女子サッカーやスポーツがもっと発展すると願っています。