11月18日、東京都新宿区の特定NPO法人 3keys事務所にて、「セクハラ相談窓口設置に向けた勉強会」を開催し、認定NPO法人 3keys代表理事の森山誉恵様より、「知っておきた子どもの現状」や「相談者として相談を受ける際の心得」について、なでしこリーグに所属する4人の選手が講義を受けました。
当相談窓口は、8月19日に開催されたワークショップ「スポーツ界におけるセクハラによって辛い思いをする女の子をなくすために、いま私たち選手にできる事」にて出た、「まずはなでケアとして相談窓口を設置し、女子サッカーの活動中に被害にあって苦しんでいたり、誰にも言えず一人で抱え込んでしまっている選手が頼れる場所を作りたい」という思いを受け、企画しているものです。当ワークショップに関する詳しい情報はこちらのリンクよりご参照ください。
こんな状況で、誰が子どもを守る?
勉強会は下記のプログラムで進行されました。
- 知っておきたい、日本の子どもの現状について
- 性的虐待を含む、虐待の実態
- 学校・教育現場の現状
- 子どもたちのニーズと、私たち(なでしこ)にできること
その中には、「現在報告されている虐待のうち性的虐待は1%と非常に割合が低いが、表に出てきていないだけで実際にはもっと発生している可能性がかなり高い」という話や、「10/20代の自殺の原因の中でも実は静的被害によるものが多い」という話もあり、子ども達にとって話せる環境ある事や、頼れる人がいる事に大きな意味がある事を確信しました。
私たちにできることは??
サッカーを含めたスポーツ現場は子どもたちの心の拠り所になるべき場所です。大好きなスポーツに仲間と共に打ち込み、目標に向かって努力し、その中で多くのことを学び人間として成長していく。その過程では、ありとあらゆる類の『ハラスメント』が排除されるべきで、それを選手の私たちを含めた全ての大人が注意深く監視する必要があります。
指導者は、今一度原点に帰り「子どものための指導」を行えているか振り返ること。親は、子どもの話を聞く時間をしっかり作ること。そして選手である私たちは、セクハラをはじめとした「ハラスメント」に対して正しい知識を持ち、発信していくこと。一人ひとりが責任を果たすことで、まずはスポーツ現場でハラスメントが発生しない環境を作っていく事ができます。
また、特に「セクハラ」は子どもたちにとって他人にはもちろん、親にも話しずらいことです。もし、幼い頃からサッカーをしてきた私たちの経験や言葉が苦しんでいるユース選手を一人でも救う事ができるとしたら、私たちは子どもたちの声に耳を傾ける責任があると思います。起こってしまった時には拠り所となり話を聞き、励ましたり、今の状況をどう変えていくか一緒に考えることや、窓口自体が監視機関として機能し、指導者が女子選手と向かい合う際の指導法に関して考えるきっかけとなる事が、この相談窓口の役割になれると思います。
定義化や線引きが難しい「ハラスメント」がスポーツ界から消えていくための第一歩としてまずは私たち自身が学び、サッカーに限らず全てのスポーツに関わる全ての子どもが、安全で健全な環境の中でスポーツを楽しみ、成長していけるよう、なでケアとしてできることに取り組んでいきます。